です。
バキバキにネタバレするので見るつもりだったりする人は薄目で読んでください
あとめちゃくちゃ脱線してウダウダ言ってます 長い夜に、なるよ
ここからネタバレ
あ、忌録のネタバレも一部あるよ
いや〜〜〜〜〜〜〜〜よかった よかったよ
まず大前提として、あたし原作の方はそんなに好きじゃなかったんですよ。
ザ・ムービーを見る前と見たあとに改めて整理してみたんだけど、原作は原作でほんとに大オチに至るまでの流れ以外は好きなんですよね。
ライターの集めた資料とその考察という形で綴られていくモキュメンタリー的な形式、一見つながりが無いようでいて読み進めていくと見えてくる資料間の繋がりとその背後の存在……みたいな雰囲気はかなり好みで、おもしれ〜じゃん…と思ってたんですけど、まず初見でラスト数話を読んだときに「いや全部言うやん」って思っちゃって。そこまであくまでも不気味な符号ぐらいの温度感で進めてたのがクライマックスで一気に全部説明するからはあ、そうですか…となって、そこプラス、読んでる側に影響があるタイプの、いわゆる自己責任系であることが最後に明かされるっていうオチがほんとにがっくりきて。
トィったーでもずっと言ってるけど、忌録のみさきも最後の最後までめちゃくちゃ良かったのに、オチでジャンプスケア的に画像が差し込まれてるのが本当に好きじゃなくて。
この辺はもうほんとに俺が偏屈なオタクなだけで、不穏なまま、不穏なだけで終わっていいじゃんってのがずっと自分の中にあって、だからオチでそういう分かりやすい怖さで訴えかけられると、なんでチーユ入れてしもたん……ってなっちゃうんですよね。
きんちほの原作も同じ感覚で、多分自己責任系でしたってオチだけならそこまでがっくりくることはなかった気はするんだけど、そこに至るまでの説明過多なクライマックスと合わさって一気に好みじゃなくなってしまったというか。
徹頭徹尾俺の好みの話であって、そのオチの威力を高めるためにこそ推進力として背景の説明、というかネタバラシが必要だったっていうのはわかるし、よく出来てるとは思うんですよ。ただ本当に好みじゃなかったな………となってしまっただけで。
で、ザ・ムービーの話なんですけど、なんでここまで原作好みじゃなかったってグチグチ言ってる俺が楽しめたかっていうと、これはもう明確に媒体の違いが大きいと思います。
個人的にテキストベースのホラーって「想像させる」怖さが一番のキモだと思ってるんですよね。幽霊かと思ったけどよく見たら枯れ尾花だった、というのと、よく見たら自分が殺した女の幽霊だった、ってのはもうほぼ同じだと思うんですよ個人的には。言いすぎですね。ちんぽちんぽ。
その辺のどこまで語るか/見せるかっていう情報の取捨選択は、もちろん映像媒体のホラーでも同様に重要な要素ではあるんだけど、テキストベースだと読者の想像力に依るところが大きいからこそ、見せる部分は最低限で済むというか、極限までスリムな表現ができるのが僕としては好きなところで。言っちゃえば最後まで怪奇現象の類は起こらなくてもいいんですもん。
逆に映像媒体だと、それこそリミナルスペース的な、何が起こるわけでもないけれどただ不穏な画像/映像みたいなのはあるけど、それを作品としてパッケージングするのってめちゃくちゃ難しいんですよね。バックルーム系のホラーゲームも今や結構な数が公開されてるけど、どうしてもジャンプスケア的な要素だったり逃走パートがあったりと、恐怖の軸となるモノ、人、場所を見せない、という選択肢はなくて、どこまで見せるか(範囲)、どれだけ見せるか(頻度)、みたいな部分の調整になると思うんです。
この辺はもう完全に自分の中で思ってるだけの理屈なんですけど、こういう考えがあるからこそテキストベースのホラーと映像媒体のホラーを見る時の目線ってだいぶ変わってきて、そこが近畿地方ザ・ムービーを楽しめた大きな要因になってると思います。やっと本筋に戻れそうですね。
そもそもモキュメンタリー形式のホラーとして作られてる原作と、初めから商業作品として制作されてる映画だと物語の構造からして違うのは違うんですよね(大筋というか基本的には概ね原作を踏襲してはいますが)。いやまあそれを言うと原作も書籍化してるしなんならカクヨムに投稿されてる時点でそういう建付けの作品であることには変わりないんですけど、そこはもう言いっこなしやん。
まあもちろん映像化されたことで、ジャンルが変わったとすら言っていいと思ってて、ザ・ムービーはもう全然序盤から恐怖表現的なところはバリバリにバリバリで、資料間の繋がりみたいなのも登場人物がちゃんと察しがいいから割と速攻で繋いでいってくれるから、原作とは多少雰囲気が違うかな?って部分もあるにはあるんですよね。
ただその辺はもう、あらゆるメディアミックスにおいて、小説でも漫画でも、映像化する上で再構成して映像媒体向けにする必要はあると思ってるから、そもそも別物として見てるフシはあったし気にはならなかったですね。
内容については、ストーリーとかはもう詳しく言わないですけど、クライマックスに至るまではずっとホラー映画として素直にクオリティが高くて良かったです。本当に素直に良いホラー映画。
で、その上でオチなんですけど、ここが前述した原作との構造の違いっていうのが1番効いてる、というか個人的に刺さった部分で、一応詳しくはボカすんですけど、映画だからこそ原作のあのオチをこういう形で昇華できるのか〜〜〜〜〜〜!っていう嬉しい驚きがありました。
個人的に、個人的にって言いすぎか俺?インターネットやってると主語の矮小化に慣れちゃうんだよな。個人的に、自己責任系自体は実は好き寄りですらあるんですよね。ただ、どうしようもない欠点として、読んだ人にも○○が…で怖がらせるのに実際には何にも起こんないよねっていうのはどうしても冷静になってしまう部分ではあって。その辺上手いことやってる作品ももちろんあるんだけど、避けては通れない穴ではあると思うんです。
そこをザ・ムービーはもう完全に割り切って、あくまで作品世界の中で完結させましょうみたいな線引がすごく上手くハマってて、「その後」を想像させてくれる、いい余韻のあるオチになってました。このオチ抜きでもホラー映画として単純に好きだなとなってましたけど、このオチの処理の仕方によって原作に対して俺が抱えてた面倒くさい感情すら昇華されたような気持ちになりました。好きや、背筋も、白石晃士も………………
長々と書いたけどまあほんとに良かったな〜 原作知らなくても余裕で楽しめるし、原作のどういう要素が好きかにもよるけど、原作が好きな人も「こう来るか〜」みたいな楽しみ方もできていいと思います オヌヌメ
穢れた聖地巡礼最近読んだけど全然普通に好きだったし原作もまた読み直そうと思います
じゃ